部長コメント

　当院は救急搬送依頼を積極的に受け入れており、急性腹症症例に関しては24時間365日対応しているため、当手術室では、予定手術はもちろんのこと、緊急手術も数多く行っており、手術室のスタッフはスピーディでフレキシブルな対応を求められています。

麻酔科としましては、出来る限り多くの方に早く、安全な手術環境を提供し、そして術後の苦痛も出来る限り少なくなるよう、日々尽力しております。

麻酔における気道確保は基本であると同時に最重要課題の一角であり、喉頭鏡の取り扱いや気道評価、緊急時の対応について日々研鑽とupdateを行うのはもちろんのこと、Laryngeal mask airwayなどの声門上器具やMcGRATHなどのビデオ喉頭鏡を個々の症例に応じて積極的に使用していき、安全性と快適性を最大限提供できるよう常に心掛けております。

全身管理におきましては、特にハイリスク症例における主治医の先生との連携はもちろん、術中は必要であれば経食道心エコーなども併用し、手術ストレスによる全身状態の悪化を出来る限り軽減し、スムーズな術後へとつながる麻酔管理を心掛けております。

また、術後鎮痛におきましても、硬膜外鎮痛を積極的に採用する中で、個々の症例での全身状態や薬剤による制限を考慮し、超音波ガイド下ブロックやオピオイド鎮痛薬などを含めたMultimodal Analgesiaで、ご本人にも、スタッフにも穏やかな周術期を提供できるよう努めております。

このように麻酔科は、個々の症例の全身状態と手術とのバランスを考慮し、より質の高い周術期を提供できるよう、急性期病院の手術室を支えるスタッフの一員としてこれからも日々努めて参ります。