. アブレーション治療について|守口敬仁会病院 
交通アクセス
お問い合わせ

メニュー

カテーテルアブレーション術(心筋焼灼術)とは

アブレーション術とは、物理化学的エネルギーを加えて組織を破壊除去してしまう治療法です。 エネルギー源としては直流通電、高周波、マイクロ波、冷凍凝固、レーザー、超音波などがあります。

不整脈に対するカテーテルアブレーション術(心筋焼灼術)は、カテーテル先端からアブレーションを行う治療法です。そのエネルギー源として高周波によるものがほとんどで、最近は冷凍凝固、レーザーなどが行われるようになってきました。

カテーテル先端で高周波通電を行うことにより、カテーテルに接している心筋組織に発熱を生じさせます(心筋焼灼)。それにより不整脈の原因となっている心筋細胞を凝固壊死させることにより不整脈の治療を行います(図1)。

ページの先頭へ戻る

カテーテルアブレーション治療について

何故カテーテルアブレーションにより不整脈の治療が出来るかというと、頻脈性不整脈が起こる機序として、おもに二つがあります。一つはリエントリー性といってある一定の回路を電気信号がくるくると回旋するパターンと、もう一つはある一定の部位から異常な電気興奮が出る巣状興奮パターンがあります(図2)。

リエントリー性の不整脈に対しては、回路の一部を焼灼することにより不整脈が起こらなくなります。また、巣状興奮パターンに対しては不整脈が起こっている部位を焼灼することにより不整脈を起こらなくします。その他の方法として、不整脈が出現している周りを囲むように焼灼する(隔離する)ことにより不整脈の治療を行います(図3)。

鼠頚部(足の付け根)の動脈・静脈、頚部や鎖骨下の静脈などからシースという管を挿入し、そこから複数本の電極の付いたカテーテル、アブレーション用のカテーテルを血管の中を通して心臓内に留置します。カテーテルの先端から電気刺激で心臓を興奮させ、心臓の中の電気信号を記録することにより、不整脈を起こしてその原因となっている部位を詳細に検査します。その記録をもとに心筋をアブレーション(焼灼)することにより不整脈の治療を行います。焼灼する場所によっては痛みを伴うこともあります。一般的には局所麻酔や静脈麻酔を使用しながら手術を行います。

カテーテルアブレーションの適応

カテーテルアブレーション術を行うかどうかは、不整脈の種類、自覚症状、心機能の程度、年齢、患者さまの希望などを考慮して決めます。不整脈による自覚症状が強くて薬で不整脈を抑制することが出来ない、または薬を出来る限り飲みたくない患者さまに対しては、アブレーション術により不整脈を根治・抑制することが出来れば大きな有益性があると思われます。

カテーテルアブレーション術の対象となる不整脈は、おもに頻脈性(脈がはやくなる)不整脈です。対象となる不整脈として、心房細動、発作性上室頻拍、心房粗動、心房頻拍、心室頻拍などです。

期外収縮(脈がとぶ)に対しても行うこともあります(上室・心室期外収縮)。

特殊な例としては、薬やアブレーション治療で効果の乏しい頻脈性不整脈に対して正常の電気回路を焼いて(房室ブロック作成術)その後の徐脈に対してペースメーカ植込みを行うこともあります。

ページの先頭へ戻る

カテーテルアブレーション術の成功率、危険性(リスク)など

カテーテルアブレーション術は入院して行う手術です。当院では4日間ぐらいの入院が必要になります。手術により100%の確率で不整脈が根治出来るわけではありません。不整脈の種類、不整脈が持続している期間や心臓の状態(基礎心疾患の有無)などによって成功率は大きく変わってきます。不整脈の種類によっては、不整脈が全く誘発されないと不整脈の回路がわからないので引き続き治療を行うことが出来ません。治療に成功したとしてもその後に一定の確率で再発することもあります。

発作性上室頻拍や心房粗動という不整脈であれば、90~95%の成功率で5~10%の再発率ですが、持続性心房細動(心房細動が続いている状態)であれば、持続時間にもよりますが、持続期間が1年以内であれば複数回の手術で術後心房細動が起きない確率は70%程度で20~30%の確率で再発する可能性があります。

手術は、血管の中を通して心臓の中にカテーテルを留置して心筋を焼灼します。そのため、100%安全であるわけではなく、一定の確率で危険性があり、合併症が起こる可能性があります。患者の年齢、全身状態、治療対象となる不整脈の種類などによりリスクの頻度は変わります。高齢で全身状態があまり良くない人は、リスクは多少高くなります。

我が国の報告(不整脈の種類ごとの合併症の頻度)で、合併症は全体として0~5%(平均1.7%)と言われています。

ページの先頭へ戻る

カテーテルアブレーション術に伴う合併症

起こる可能性がある合併症として、

①出血・血腫、②血管損傷(動脈瘤、動静脈瘻や大動脈損傷)(外科的な手術が必要になることがある)、③感染、④薬剤投与などによるアレルギー、⑤造影剤による腎障害、⑥気胸(肺がしぼんでしまい、管をいれない空気を抜かないといけない時がある)、⑦心穿孔・心タンポナーデ(心臓の周りに血がたまり、針で血を抜いても改善しなければ外科的な処置が必要な時もある)、⑧脳梗塞、⑨心筋梗塞、⑩放射線被曝に伴う皮膚障害、⑪空気および血栓塞栓、⑫冠動脈や心臓の弁・腱索の損傷、⑬左房‐食道瘻、⑭神経障害(横隔神経や胃食道迷走神経など)などがあります。

手術が終わると、血管にいれた管はほとんど抜いて圧迫止血を行います。大きな問題なく手術が終了しても、術後しばらくは(少なくとも6時間以上)ベッド上で安静が必要になります(すぐに足を動かすと出血してしまうため)。翌日には歩行は出来る状態になります。手術後、翌々日ぐらいには退院予定ですが、退院後普段の生活は普通に送ることが出来ます。ただし、1週間ぐらいは激しい運動を控えるように指導しています。

ページの先頭へ戻る

home
/
治療・検査
/
アブレーション治療について