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大腸癌について

大腸について

大腸は、図①のように虫腸・上行結腸・横行結腸・下行結腸・S状結腸・直腸・肛門に分けられており、直腸・肛門以外を結腸と言います。結腸は、小腸から送られてくる水のような便の水分を吸収する役割があり、次第に便は固まりながら送られます。S状結腸と直腸では便を溜め、肛門の外へ押し出すという役割があります。

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大腸がんと病気(進行度)について

大腸がんは粘膜から発生します。(図2)
環境要因やDNAの修復障害や遺伝子の異常などによって、粘膜から直接癌細胞が発生したり、ポリープを通じて発生したりします。数ヶ月あるいは数年をかけて進行していきます。また、癌細胞は進行と共に広がっていきます。腸の壁内に広がっていきます(壁進達度)。また、血液やリンパ液に混じって広がり、肝臓や肺・骨等の多臓器に転移します(遠隔転移)。転移で最も多いところはリンパ節です。これはリンパ球という免疫細胞の集まった所で、リンパ管という細い管によって繋がっており、リンパ液という体液が流れています。その流れに乗ってがん細胞は広がっていきます(リンパ節転移)。また、腹膜という内臓を覆う薄い膜にも転移します(腹膜転移)。これらの状況(壁進達度、遠隔転移、リンパ節転移、腹膜転移)によって、日本ではStage0、Ⅰ、Ⅱ、Ⅲa、Ⅲb、Ⅳと癌の病期(進行度)が決められており、Stage0から次第に重くなっていきます。尚、いわゆる早期癌とは粘膜下層までにとどまるものと定義され(Stage0、Ⅰ、Ⅱの一部)、進行癌とは固有筋層を超えて広がるものと定義されています(StageⅡの一部、Ⅲa、Ⅲb、Ⅳ)(下記表①)。また、最終的な病期(進行度)は、手術の病理検査(顕微鏡による検査)の結果で確定されます。

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治療について

手術療法、化学療法(抗癌剤)、放射線療法、温熱療法、免疫療法等がありますが、それぞれを単独で行うより、総合的に組み合わせて行うことが大半です。これを集学的治療と言います。(図③)

手術療法について

腹腔鏡補助下手術と開腹手術があります。
病気の程度や状態また、部位によって最も適切と考えられる手術方法を選択します。

腹腔鏡補助下手術
全身麻酔をかけて、腹部に5~10mmの小さな孔を4~5箇所開けて、炭酸ガスをお腹の中に送気し、お腹の中を膨らませた状態にして(気腹法)、腹腔鏡(カメラ)をお腹の中に入れ、モニター画面を見ながら手術を行います。 癌のある部分の腸を外に出して切除し、新たに腸をつなぎ合わせる(吻合と言います)ために結果的には4~10cmくらいの創は開けますが、それでも利点は小さな創で手術が出来、従来の開腹手術に比べれば1/5~1/2くらいです。 また、必要なところ以外にあまり触れないことから、患者様への負担が小さく、痛みが少ないので回復も早くなります。また、術後創が目立ちません。ただし、欠点は、お腹に炭酸ガスを入れて膨らませるので、胸が圧迫されることになるため、心臓や肺に疾患のある方は要注意となります。また、手技に熟練を要し、手術時間が長くなりがちになります。
開腹手術

従来からの手術方法です。

利点は、手術野が広く、直接手で触れたり見たりできるので、腹腔鏡手術に比べてより早く手術ができ、また安全性と確実性が高いといえます。
欠点は、創が大きくなりがちで、患者様への負担がその分かかってきます。

これらのことはあくまでも一般的で大まかなことです。病期の程度・状態・部位や身体の状態によって多少の差異があります。腹腔鏡補助下手術と開腹手術の利点・欠点を考慮した上で、それぞれの患者様にあった方法を選択します。また、腹腔鏡補助下手術中であっても、必要であれば開腹手術に切り替えます。また、開腹手術もより小さな創で行うようにしています(小開腹法)。

人工肛門について

人工肛門には永久的なものと一時的なものとがあります。

● 永久的
一般的にはS状結腸を左下腹部に出します(図④)。直腸癌で必要なときがあります(身体障害者認定が受けられます)。
● 一時的
直腸癌や結腸癌の手術の危険性や合併症を軽減させるため、一時的に造ることもありますが、ほとんどの場合は約3~6ヶ月後を目安に閉鎖します。また、退院後は人工肛門等(ストーマと言います)のケアを行うストーマ外来もありますのでご利用ください。

危険性と合併症について

麻酔に関するものと手術に関するものとが考えられ、心筋梗塞や肺炎等の循環器・呼吸器障害、脳梗塞や脳出血等もありえます。手術合併症としては、出血や縫合不全(縫い合わせたところがうまくつかないこと)、創部?開、腸閉塞等があり、再手術が必要なことがあり、生命に関わることや重大な障害を残すこともあります。また、直腸癌の手術では、膀胱機能障害や性機能障害あるいは、排便機能障害が一時的もしくは永久的に残ることもあります。

術後大腸機能について

手術前と比べて多少の変化はありますが、ほとんどの場合、生活で問題になる事はありません。しかし、直腸癌で低位前方切除術という手術を行った場合、排便回数が多くなったり、逆に排便しにくくなることが時々起こります。多くは、手術後約6~12ヶ月くらいで安定してきます。

輸血について

輸血を必要とすることがあります。その場合には日本赤十字社から供給される血液を使用します。輸血による副作用や未知の感染症や既知の感染症であっても検査感度から漏れる場合もゼロではありませんので、必要最小限で使用することを原則としています。また、条件によっては自己血輸血になります。

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化学療法( 抗癌剤 )について

癌の進行度によっては抗癌剤を使用します。手術前に使うこともありますが、ほとんどの場合は手術後に使います。副作用(表②)の出現は個々人によって内容も程度も異なります。

重大な副作用としては、骨髄抑制といって、血液中の細胞、特に白血球の減少が起こることがあり、感染症にかかり易くなったり、赤血球が減り貧血になったり、血小板減少により出血傾向になることがあります。また、高度な下痢を起こし多量の点滴が必要となることがあります。白血球が減少したときは、それを増やす薬としての注射薬を使います。比較的多く見られる副作用の色素沈着は、抗癌剤を中止すれば戻っていきます。各抗癌剤によって差異がありますので、詳細は担当医師にお聞きください。尚、大腸癌でよく使用される抗癌剤の副作用として、脱毛はありません。

(表②)

骨髄抑制 白血球・赤血球・血漿弁減少
消化器病症状 下痢、嘔吐、吐き気、食欲不振、口内炎、色素沈着、 全身倦怠感、肝機能障害、その他

放射線療法について

直腸癌に使う場合があります。なかでも、肛門付近にできる扁平上皮癌には化学療法との組み合わせでかなり有効な手段とされています。

骨転移や再発時にも使用する場合があります。副作用としては、放射線皮膚障害(色素沈着やヒリヒリ感等の放射線によるやけど)、放射線性腸炎(出血や萎縮・硬化)等があります。

血管内放射線学内治療

TACE(経肝動脈的塞栓化学療法)として、肝臓への転移があるときに行います。肝動脈内に細い管(カテーテル)を入れて、直接肝臓に抗癌剤等を注入することにより、その効果が高まり副作用も軽減できます。薬を注入するルートを皮下に埋め込んで定期的に何度もすることがあります。

ラジオ波焼灼療法(RFA)、マイクロターゼ焼灼療法

460kHzのラジオ波あるいは、マイクロ波を用いて肝臓や肺の転移巣を焼いてしまう方法です。それが必要との説明を受けられた方は、担当医に詳細をお聞きください。

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