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ペースメーカーについて

心臓ペースメーカーの役割

心臓の規則正しい収縮は、右心房の上部にある洞結節と呼ばれる自然に拍動をつくり出す部分から発生した信号が刺激伝導路と呼ばれる特定の通路を通って心房から心室へと順に心臓全体に行き渡ることにより行われています。しかし、この刺激伝導路が病気などによって断線したり、あるいは洞結節そのものの活動が低下すると、心臓の脈拍が落ちてきます。このように心臓の脈拍が低下したときに、脈拍が決められた一定数以下にならないように心臓に刺激を与える機械がペースメーカーです。

ペースメーカーは絶えず心臓を監視しており、植え込まれた人の心臓が自力で最低限の脈拍を維持しているときには、ペースメーカーは監視業務のみに専念し、最低限度の脈拍が維持されないときにのみペースメーカーが心臓を刺激する構造になっています。

すなわち、ペースメーカーは心臓に電気刺激を与えるのみで、心臓そのものの動きを改善したり、心臓の弁を直したりはできません。ペースメーカーを入れたからと言って、心臓が永久に動くものでもありません。

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ペースメーカーの種類

ペースメーカーには、現在色々なタイプがあります。ペースメーカーを入れる必要が生じた元の病気によって使い分けられますが、基本的には、リードが1本か2本かによって大きく異なります。また、2本必要な場合でも特殊なリードを用いることで、血管に入っていくところは1本になっているものなどがあります。

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ペースメーカーの適応

ペースメーカーの手術適応となる患者様は、心臓の脈拍が非常に遅くなり、失神発作を起こすような人や、脈拍が常に1分間40回を低下する人などでありますが、その他にも色々な条件と個々の患者様の状態にもより異なってきます。

ペースメーカーの植え込み手術

1.初めて植え込み手術をされる方

心臓の手術と聞くと大掛かりなものを想像してしまいますが、実は比較的簡単で局所麻酔による安全な手術です。 レントゲンの透視下で、右または左の鎖骨のやや下を局所麻酔し、皮膚と肋骨の間にポケットと呼ばれるジェネレーター本体の収納スペースを確保、同じ場所から鎖骨下静脈を針で刺してリードを入れていき、心臓の中まで入れて条件の良い場所を探して固定します。最後にリードとジェネレーターを接続、正常動作を確認したら、ポケットにジェネレーターを納め、皮膚を閉じて終了です。

手術時間は大体1~2時間程度です。局所麻酔なので、患者様とお話しながらできます。 また、手術から 退院までは大体10~14日程度です。

2.電池交換の場合

ジェネレーターの電池寿命がきたら電池交換になりますが、実際はジェネレーターそのものの交換となります。2度目以降は初回植え込み手術に比べて非常に簡単で、リードと呼ばれる部分に異常がない場合、皮膚を切開してリードとジェネレーターの接続を外し、新しいジェネレーターを接続して切開部分を縫合すれば終了です。

リードとジェネレーターの接続は特殊なネジによる固定なので、専用工具で簡単に付け替えでき、手術開始から1時間以内に終了します。また、術後はすぐに歩行可能となり、日常生活は手術前と変化なく、特に制限もありません。

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ペースメーカーの電池の寿命

現在使用されているペースメーカーの設計寿命は大体7年程度はありますが、実際には設定内容、心臓の状態によりもっと長く使用できる場合もあり、逆に早く消耗する場合も考えられます。最近は、コンピューターにより心臓の状態に最適化した出力に自己調節するタイプもよく使われるようになってきました。この最適化は結果としてペースメーカーの電池寿命の延長に寄与し、最長では理論上20年近く使用可能なものもあります。

ペースメーカーと電気製品

1.使用して全く問題のないもの

ペースメーカーを植え込んだ後も普通の日常使用される電気製品は全て使用可能です。
例) 電気コタツ、電気毛布、電子レンジ、補聴器、ミキサー、テレビ、ラジオ、コンピューター、ビデオ

2.絶対使用してはいけないもの

例) 超短波治療器、低周波治療器、電気メス、電気風呂、磁気マット、磁石
整形外科などにて、頭・腹部などの診断に使用されるMRIは使用できませんのでご注意下さい。無用のトラブルを避けるためにも植え込み後に配布されるペースメーカー手帳は常時携行して頂き、医療機関などでは事前に提示された方が安全でしょう。

3.使用に注意を要するもの

例) 携帯電話はあまり使用しない方がよろしいと言われています。過去の実験結果では、22cm以内に接近した時に障害が発生する可能性がゼロとは言えないとされています。PHSは携帯電話に比べ影響が少ないと報告されており、使用されるならばPHSをお勧め致します。

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ペースメーカー手術に伴う危険性

ペースメーカー手術は、ペースメーカーの大きさやリードの太さ等、様々な改良が行われ、患者様に対する苦痛、危険性は著しく減少してきました。しかし、現在でもまだ危険性をゼロにすることは残念ながらできておりません。私たちは、できうる限り危険性を最少にすべく努力しております。患者様及びご家族の方にもこの危険性をよくご理解の上、治療に臨んで下さい。

1.気胸 (3~5%)
リードを鎖骨下静脈に通すときは、血管を直接見ることができませんので、誤って肺を刺してしまうこともあります。その場合、肺から空気が肺の周りに漏れて肺を圧迫し、肺を縮めてしまうことがあります。この場合、しばらく胸に管を入れて肺の外に溜まった空気を抜くことがあります。
2.リードによる穿孔、心タンポナーゼ (0~0.3%)
リードは心臓の壁に押しつけて固定しますが、まれに心臓の壁を突き抜けてしまうことがあります。心臓は心嚢という袋で取り囲まれていますが、リードが突き抜けてしまい心臓の外に血液が漏れると、この袋の中に血液が溜まり、外から心臓が圧迫されて十分に血液が送り出せない状態になることがあります。
3.感染・出血
4.縫合不全
5.リード移動
6.造影剤の使用による合併症
場合により、造影剤という薬物を用います。造影剤は人によりアレルギー反応を起こすことがあります。
7.その他
不測の合併症(例えば治療のストレスにより胃潰瘍ができる)もあり得ます。 これら合併症が起こった場合、いずれに対してもできうる限りの治療を行っております。しかし、場合により大きな手術が必要になったり、合併症により後遺症を残したり、また不幸にも死亡されてしまうこともありえます。 一般的にこれた合併症は約5~7%に起こるとされています。

当院では、十分な経験を積んだ医師と看護師、技師によりペースメーカー治療を行っており、出来る限り安全に治療が進められるよう努めております。

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