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逆流性食道炎について

逆流性食道炎に対する治療方針について

胃食道逆流症(GERD)とは、胃内容物が食道に逆流することにより様々な愁訴を訴える疾患の総称です。内視鏡検査で粘膜障害(びらん・潰瘍)が見られる逆流性食道炎と内視鏡検査で異常を認めない症候性GERDに分けられます。元来、胃・食道接合部には下部食道括約筋(LES)など食道内に胃内容物が逆流することを防止するような逆流防止機構があります。しかし、食道裂孔ヘルニアなどで逆流防止機構が壊れた場合は、胃食道逆流をきたしやすくなります。それ以外にも、腹圧の上昇などで胃内圧が上昇したり、一過性LES弛緩などで胃食道逆流が起こると考えられます。

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逆流性食道炎に対する治療方針について

今、学会・研究会においては、胃十二指腸潰瘍に代わり逆流性食道炎及び胃食道逆流症への関心が高まっています。なぜ今、胃食道逆流症(逆流性食道炎)なのでしょうか? ひとつには、食事および生活習慣の欧米化やヘリコバクター・ピロリ菌感染者の減少に伴い、逆流性食道炎及び胃食道逆流症の頻度が増加していることにあります。事実、1970年代後半の報告では、逆流性食道炎の頻度は1.6%~2.9%であったのに対して、20年後の1990年代後半の報告では、16.3%に増加しています。内視鏡検査で異常を認めない症候性GERDも逆流性食道炎と同等に存在し、胃食道逆流症は30%前後の頻度でみられるとされています。実に3~4人に1人の割合で存在することになるのです。当院においても、逆流性食道炎は12%の頻度で、症候性GERDを含めた胃食道逆流症全体では25%の頻度で認められました。もうひとつには、逆流性食道炎及び胃食道逆流症がQOL(Quality of Life)を著しく障害する疾患であるということです。未治療の逆流性食道炎は狭心症よりもQOLを損なう疾患とされているのです。このような理由で、逆流性食道炎及び胃食道逆流症は胃酸関連疾患の中で非常に重要な疾患になったのであります。

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胃食道逆流症(GERD)の診断・症状は?

胃食道逆流症の診断は、逆流の有無を知ることが最も確実であり、その為、食道内pH測定や内圧測定が推奨されますが、患者の負担が大きくどこでも出来る検査ではありません。そこで、他の食道・胃疾患と同様に上部消化管X線検査、内視鏡検査が行われています。これらの検査は食道裂孔ヘルニアの有無、逆流性食道炎の有無を知ることができ有用な検査であります。しかし、逆流性食道炎やヘルニアが必ずしも存在するとは限らず、胃食道逆流症の診断は患者様の症状によりなされることが最も多いようです。

第一線で診断にあたっている医師を中心にアンケートをとったところ、大半の医師は症状重視で胃食道逆流症と診断しており、悪性病変さえ否定できれば症状のみでGERDを診断していいと考えているようでした。それではGERDの症状はどのようなものでしょうか?まず、最も重要な症状は、胸焼け(溝落ちから口側にむかって広がる焼けるような感じ、チクチクした感じ)です。そして、それは食後や前屈位で増強することが多く、PPI(プロトンポンプ阻害薬:胃酸を抑える薬)で改善すること(PPIテスト)が診断の助けとなります。それ以外にも、胃痛、胃の不快感、嘔気、胸痛さらには咽頭痛や咳など消化管らしくない症状もあり、十分な問診が重要となります。

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胃食道逆流症(GERD)の治療は?

食事療法・生活指導

胃食道逆流を悪化させる食物としては、高脂肪食をはじめチョコレート、アルコール、コーヒー、炭酸飲料、柑橘系ジュース、香辛料、玉ねぎ等が挙げられます。また、わが国に特徴的なものとしては餅やあんこ、饅頭なども増悪因子と考えられます。食事療法としては、これらの食事を避けることが重要です。たばこもLES圧を低下させ、胃食道逆流症の増悪因子となるので喫煙も避けた方がいいでしょう。また、腹圧の上昇が逆流の原因、増悪因子となることから、食べ過ぎに注意する、前屈位を避ける、食べてすぐ横にならない等の注意が必要となります。そして、就寝時の上半身挙上は、胃酸逆流を抑制させるので、薬物治療とともに有効な治療法となります。このように食事・生活様式は胃食道逆流症と深く関わっているので改善することが重要です。

薬物療法

胃食道逆流症(GERD)の治療薬としては下記のようなお薬を投与致します。
決められた量を規則正しく服用しましょう。

  • ①胃酸分泌を抑制する(胃内を中和させる)目的でPPI(プロトンポンプ阻害薬)やH2ブロッカーが用いられます。GERD治療の場合、H2ブロッカーがあまり効かないことが多く、PPIが用いられます。
  • ②胃内容の逆流防止、食道運動促進を目的に消化管運動機能改善薬が用いられます。食道粘膜を直接保護する薬剤も用いられます。
  • ③PPIにより多くの症例で症状のコントロールが可能となり、外科治療を選択することは少なくなりました。それでも、PPIでコントロールできない場合、服薬の中止で再燃・再発を繰り返す症例、食道狭窄、短食道などの合併症を認める場合には、手術療法が選択されます。また、最近では内視鏡手術も行われるようになってきています。

外科治療

胃食道逆流症(GERD)の治療薬としては下記のようなお薬を投与致します。決められた量を規則正しく服用しましょう。

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パレット食道と食道癌

パレット食道と食道癌の問題があります。欧米では、GERDの発生頻度が高く、その結果食道腺がんが増加しています。
すなわち、 胃食道逆流 ⇒ 逆流性食道炎 ⇒ パレット食道 ⇒ 細胞異型 ⇒ 食道腺がん ということが懸念されているわけです。今のところ、食道癌が急激に増加しているという報告はありません。ただ、今後胃食道逆流症及び逆流性食道炎の増加に伴い、食道癌が増加する可能性は高く、定期検査がより必要となると考えられます。

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胃食道逆流症について、おわりに

胃食道逆流症及び逆流性食道炎は、生活様式の欧米化により、また萎縮性胃炎の減少により、近年急激に増加しており、日本の3人に1人はもっていると考えられる疾患です。高血圧症、糖尿病、気管支喘息、耳鼻科疾患、肥満などとも深く関わっており、胸焼け以外にも様々な症状を訴えます。重篤な場合は日常生活を著しく障害するため治療が必要となりますが、再発しやすい病気でもあり、治療困難な場合も多く認められます。その上、食道癌の増加も想定され、検査・治療・定期的なフォローが必要と考えられる疾患です。胸焼けなどの症状が見られたり、胃食道逆流症が心配される場合は医師と良く相談して検査・治療を受けてください。

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