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社会医療法人 彩樹グループ
前立腺癌について
欧米では、男性の癌の中で最も高い発生率であり、日本においても前立腺癌の患者数が増加しています。増えている要因としては、寿命が延びていること、食生活の欧米化(肉食による動物性脂肪の摂取率増加)やPSA検査などの開発・普及により、早期発見が可能になったことなどが考えられます。
実際に、厚生労働省の患者調査によれば、今からおよそ20年前の1984年には日本全国でおよそ9千人程でしたが、2002年にはおよそ10万2千人と20年間で約11~12倍になっています。
前立腺癌は、生命に関わる重大な病気であり、早期発見・早期治療が基本です。また、先に述べました前立腺肥大と前立腺癌は全く別の病気です。前立腺肥大から前立腺癌になることはありません。ただし、前立腺肥大と前立腺癌が合併していることがありますので、排尿障害などが現れた場合は、専門医の診断を受け、早期に検査することが大切です。
症状が、前立腺肥大と同じようなものが多く、おしっこが出にくい、おしっこの回数が多い、残尿感、尿意を感じてからトイレに行くまでに排尿が我慢できない、下腹部の不快感、おしっこをする時に痛みを伴うなどが挙げられます。また、癌が大きくなると尿道を圧迫して、尿閉(おしっこが出なくなること)が起こったりします。
癌が前立腺だけでなく、尿道や膀胱内に進展した場合は、尿に血が混じる・尿失禁になる場合もあります。
前立腺癌を早期に発見するためには以下の検査を行います。
● 血液検査 ● 直腸内指診(直腸診) ● 超音波(エコー)検査
※ これらの検査は、前立腺肥大症の項目で紹介しています。
MRIにて前立腺に異常がないかを調べます。MRIで異常があれば更に詳しく調べるため下記の前立腺生検をお勧めします。MRIで異常がなくても生検にて癌が発見されることもあります。
前立腺に直接針を刺して組織をとる検査です。採取した組織を病理検査に出して、癌の有無、悪性度などを診断します。判別しずらい時は、再検査する場合もあります。当院では、経直腸的に前立腺組織を採取しています。出血や感染による発熱の可能性もあるので、検査後に一泊入院をして頂いております。近年、日本人でも急増しており、50歳以上の男性は定期的に前立腺癌検診を受けることをお勧めします。前立腺癌と診断された場合は、腹部CTや骨シンチグラフィといった検査を行い、癌の転移の有無を調べます。
年齢や癌のある場所、患者様の状態や病歴など、様々な状況を総合的に判断して、治療方針を立てていきます。治療法としては、ホルモン療法、手術療法、放射線療法、化学療法の4つがあります。
前立腺癌の90%は、精巣や副腎から分泌される男性ホルモンの影響を受けると言われています。内分泌療法は、男性ホルモンの分泌や働きを抑えて、癌細胞の増殖を抑制しようとするものです。
最近では、内分泌療法と放射線を組み合わせた治療がよく行われています。今までは、外照射が主流でしたが、最近では前立腺に小線源を永久的に埋め込む治療が開発されており、関西医大滝井病院と連携をとり、治療を行っております。癌が前立腺に限局している方が対象です。
抗癌剤を用いて、癌細胞を死滅、縮小させる方法です。前立腺癌における抗癌剤治療は、癌が進行し、他の治療では効果が得られない場合に行われます。副作用として、脱毛、嘔吐、下痢などがあります。