胃内視鏡検査がWEB予約で可能となりました。
社会医療法人 彩樹グループ
冠動脈が、動脈硬化のために狭くなったり、万が一完全に詰まったりすると、心臓の筋肉がポンプとして働くために必要な燃料(重荷酸素と栄養)が足りなくなります。この状態は心臓に流れる血液が乏しい状態なので、心臓の虚血状態と考えられます。このため、虚血性心疾患と呼ばれます。虚血性心疾患の中で代表的な病名としては、狭心症と心筋梗塞があります。
狭心症は、冠動脈が動脈硬化のために狭くなるか血管痙攣を起こし、その結果として十分な量の酸素と栄養が心臓に運ばれないために起こります。
狭心症に対する治療としては、大きく分けて内服薬治療、経皮的冠動脈形成術、冠動脈バイパス術があります。冠動脈造影にて冠動脈に狭窄が認められた場合、患者様の病状によってそれぞれの治療を単独で、あるいは、組み合わせて行います。内服薬治療は、血管を直接拡張する薬、心臓の過度の働きを抑える薬、血液をさらさらにして詰まりにくくする薬があります。これらの薬で十分効果があり、症状が消失する人もありますが、冠動脈の動脈硬化を直接に改善するわけではありませんので、血管の狭窄度はほとんど変化しません。また、血管が完全に詰まってしまう心筋梗塞については効果を示しません。冠動脈バイパス術は冠動脈形成術より古くからあり、内服薬による治療でコントロールできない場合に行われ、現在まで様々な工夫がされ、より安全になってきていますが、冠動脈形成術に比し、全身麻酔など身体に与えるダメージは大きく、死亡率も0.5~1%程度あります。一方、経皮的冠動脈形成術は、約30年前に開発された方法で、それまでにあった内服薬治療とバイパス術との間を埋める方法としてこの30年の間に飛躍的に進歩し、より安全に行われるようになってきました。
冠動脈の動脈硬化が進行して、血栓(血のかたまり)なども関わって冠動脈が突然詰まる(閉塞)と急性心筋梗塞になります。冠動脈の閉塞により心臓への酸素と栄養の供給が突然なくなってしまったために心臓の筋肉が腐ってしまう(懐死)状態です。多くの場合、激しい胸の痛みを感じます。また、痛みだけでなく心臓が止まってしまうような不整脈が起こったり、またポンプとしての働きも低下してしまったりしますので生命の危険があります。時には心臓が破れること(心破裂)もあります。この結果、急性心筋梗塞を起こした場合には、速やかに適切な治療をすぐに受けないと、死亡率は30%以上あると言われています。しかし、すぐに適切な治療を受けることにより、死亡率を10%以下に低下させることができます。急性心筋梗塞を再発した場合には、死亡率は約50%と言われています。
現在の心筋梗塞の救急治療においては
※ 心臓系集中治療室で治療する。
※ 緊急での積極的な血管拡張手術を行う。
以上が必須と言われています。当院では両方ともの条件を備え、集中的治療を行っております。具体的治療として…(↓下記①~③)
上記①②は、根本的な治療にはならず、心筋の壊死の進行はわずかしか防げません。そこでできるだけ早く心筋の壊死をくい止めるため、最近では経皮的冠動脈形成術(PTCAまたはPCI)という、手や足の血管からカテーテルといわれる直径1~3mm程度の太さの管を冠動脈に直接入れて詰まったところを通す(血栓を吸い取る、風船付きのカテーテルで押し広げるなど)方法の手術が発達し、心筋梗塞の最も大事な治療として行われるようになっております。さらにこの手術の成否が心筋梗塞の患者様の予後(その後の経過)を決定すると言われています。
一方、この方法は手術である以上、合併症と言われる危険が一定の割合で伴います。合併症には血栓症(心筋梗塞の悪化、脳梗塞、下肢血栓症など)や、出血、腎障害、造影剤アレルギー等があり、場合により命に関わる合併症を起こすことがありますが、心筋梗塞でそのまま経過を見た場合に比較して危険性は低いものです。(合併症0.5%程度、死亡率0.1%)
この手術は、詰まっているところを通すわけですので、根本的な治療と言えますが、病気になって出来るだけ早い時間に行わないと効果がありません。なぜなら、心筋は冠動脈が詰まってから半日以内に(特にはじめの数時間に)壊死してしまうからです。